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はざま神経内科・内科医院

  HAZAMA CLINIC of NEUROLOGY & INTERNAL MEDICINE

内科 神経内科 / プライマリケア 産業医

はじめに

Dr James C. Parkinson


戦後私どもの寿命が飛躍的に延び、それとともに加齢に伴う疾患が増えてまいりました。パーキンソン病もそのうちの一つです。
この疾患は神経内科の分野では歴史は古く、ジェームス・パーキンソン(英国1755−1824)が初めて紹介して以来、すでに200年の歴史が刻まれております。しかしながら、前半の100年はこの疾患の病因は殆どわかりませんでした。、今日、生理、生化学、分子遺伝学の分野まで解明されるようになったのはごくごく最近の事です
パーキンソン病は中枢神経の中でも親指大ほどしかない脳幹中脳のさらにその一部にスリット状にしか存在しない黒質神経細胞の変性・脱落が原因で生じる疾患です。この黒質には全身の筋肉を作動させるために必要なドーパミン産性細胞からできております。この黒質神経細胞の変性・脱落によりパーキンソン病特有の運動麻痺を生じます。

パーキンソン病の症状

パーキンソン病には;
1.手のふるえ(振戦)、
2.筋肉の硬直(筋強直)、
3.身体の動きが悪くなる(無動)
の3大症状(パーキンソン病の3徴)があり、これをベースにして、無表情、よちよち歩行、歩行時の前屈姿勢へと進行していきます。
パーキンソン病は病気の進行具合により5段階に分類(ホーン・ヤールの分類)します。
第1段階:発病初期。症状が一側のみにでている状態。
第2段階:症状は両側へと広がっているが、まだ会社勤めや社会生活において自立している状態。
第3段階:さらに進行して、著明な歩行障害と転倒しやすくなり、自立した社会生活が困難となる。
第4段階:自力での歩行が困難となり、日常生活に介助が必要となる。
第5段階:全く歩行不可能となり、車いすか寝たきりの状態となる。

発病してほぼ10年が経過すると、自立した生活が困難になりますので、早期診断・早期治療が必要です。

パーキンソン病の原因

パーキンソン病の大きな変化は前述したように、黒質のドーパミン含有神経細胞が死滅減少していくことに原因しております。特に特徴的な変化は細胞の中にレビー小体と呼ばれる物質を取り込み、徐々に死滅していきます。

パーキンソン病の治療

パーキンソン病治療の方針は不足してくるドーパミンを補ってやる必要があります。しかし、神経には血管神経関門があり、ドーパミンを投薬しても脳に吸収することが出来ません。幸いなことに、ドーパミンの前駆物質であるドパ(L-ドパ)はこの関門をかいくぐり、脳内に吸収され、ドーパミンに変わります。
この生理学的変化を利用して、パーキンソン病治療の第1選択薬にL-ドパが使用されます。
そのほかドパミン分泌を促進する薬剤(ドーパミン作動薬)であるペルゴリド(ペルマックス)などを併用します。
定位脳手術:脳外科的に脳・視床の1部を破壊することにより不随意運動を治療する。振戦には効果があるといわれていますが、最近では次のDBSに取って代わられています。
深部脳刺激療法(DBS):脳の視床の1部に電極を植え込み電気的刺激を与えることで治療する。脳を破壊することなく行える治療法で最近注目されている治療。治療効果についてはこれから多くのデータが得られるものと思います。

関連文献

映画「レナードの朝」:名優デ・ニーロとロビン・ウイリアムが共演。幼少時より罹患した疾患で眠り続けたまま成長した患者が処方された薬剤である日覚醒し、そしてまた深い眠りにつくまでの話。フォン・エコノモ脳炎(嗜眠脳炎)は、後遺症に意識障害とパーキンソン症状が残る疾患。この映画で主人公が罹患した疾患はこの脳炎だったと思われる。投薬された夢の薬剤はL-ドパ。相変わらずデ・ニーロのオーバーアクションが光りました。