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はざま神経内科・内科医院

  HAZAMA CLINIC of NEUROLOGY & INTERNAL MEDICINE

内科 神経内科 / プライマリケア 産業医

2008/10/07 ノーベル医学生理学賞

今年度ノーベル医学生理学賞の受賞が発表されました。
今年はAIDS研究で功績のあったフランス・パスツール研究所のモンターニェ博士とフランソアズ・バレ博士が選ばれました。
お二人の名前をみて待ち望まれて待ち望まれてやっときたか、といった気持ちです。
1980年代AIDSが世の中に出て以来、ウイルス狩りに世界が競争を繰り返していました。特に、NIHのギャロ博士とパスツール研究所間の競争は熾烈で、医学スキャンダルとなり、当時の両国大統領であったレーガン、ミッテランを巻き込んだ政治問題にまで発展。レーガン大統領とシラク首相の間で政治決着がつくまでにもつれ込みました。
しかし、医学の世界で政治決着などありようがなく、フランス側の勝利で幕が引かれました。そのきっかけとなったのがウイルスの遺伝子解析にあったといわれています。ギャロ博士が分離培養に成功したとされるウイルスの遺伝子配列がパスツール研究所から送られたウイルスに一致したことが判明したことによります。
どの研究所においても分離ができなかったAIDSウイルスがバレ博士のちょっとしたヒント、AIDSウイルスが白血球T細胞のみにしか生存できない、逆にT細胞の中でなら培養できる、とした逆の発想が成功を導いたともいわれています。AIDSウイルスは逆転写ウイルスともいわれていますが、発想も逆転写から生まれたと考えるとおもしろい。
いずれにしましても、AIDSウイルスが見つかった時点でノーベル賞確定と考えられたのに受賞が今日になってしまったことはエイズ疑惑が尾を引いてしまいました。しかし、ノーベル賞が確定してめでたしめでたし。

関連文献
1. ランディ・シルツ:そしてエイズは蔓延した(上、下) 草思社
2. ジョン・クルードソン:エイズ疑惑 紀伊国屋書店