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はざま神経内科・内科医院

  HAZAMA CLINIC of NEUROLOGY & INTERNAL MEDICINE

内科 神経内科 / プライマリケア 産業医

ギラン・バレ症候群   はじめに

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先日女優大原麗子さんの死去が大きく報道されました。少し低音で、笑顔がステキでしたね。
彼女の死因がギラン・バレ症候群と言う聞き慣れない病変であったことも注目を集めました。そのためか、運動障害を起こしている方がギランバレでは?と受診され、小脳失調症が見つかるなど新たに疾患を掘り起こすきっかけにもつながっています。
この疾患は私共神経内科の分野では非常にまれな疾患ながら、神経内科医が生涯に数例は経験するものであり、病気の特殊性から、頭の片隅に常においておかねばならない重要な疾患でもあります。
年間発生率は極々少なく(約1人/10万人)、治療も特殊であり神経内科専門病院に集められるために、一般内科ではほとんど経験することがありません。
臨床上幾つか大変特異な症状を呈することも付け加えておきます。
症状は手足の麻痺から始まり、急速に進行して嚥下筋や呼吸筋まで麻痺が進行するために死に至ることがあり介護管理が大変重要な疾患であります。

症例

61才男性。数日前より咽頭痛、微熱、鼻水が出てあり、6日後、症状はよくなったが、首、背中、大腿などに痛みが生じ、手足の指にぴりぴりする感じに気がついた。翌日、ベッドから起きようとして転倒してしまった。介助無しには起きあがることも歩行することも出来なかった。
嚥下、呼吸、排尿、排便障害はなかった。
患者の四肢の麻痺は続く5日間の間に悪化していった。患者は全く完全な四肢麻痺となり、嚥下困難となった。
入院6日目に気管切開が行われ、人工呼吸器(レスピレーター)が取り付けられた。

治療と経過

直ちにステロイド剤の大量投与が継続投与され、数日後より筋力は回復し始めた。
発病2ヶ月後、人工呼吸器は取り除かれ、リハビリテーション開始。
さらに数ヶ月後には自力での歩行が出来るようになった。

まとめ

上記の症例が一般的なギランバレ症候群の経過です。
発病時期は10歳代から40歳代に多く、20歳代にピークがあるといわれています。
脊髄(末梢)神経が傷害されますが、感覚神経よりも運動神経が好んで侵されるために、運動麻痺や嚥下・呼吸筋がひどく傷害され、上記のような神経症状を呈するようになります。この時期を放置すると死に直面しますから厳重な医療管理が必要になります。
疾患の原因は全てが明らかにされている訳ではありませんが、関節リウマチと同じように末梢神経に対する自己免疫疾患と考えられています。
治療はステロイドホルモンの他、免疫グロブリン療法、血漿交換などが行われています。
経過は比較的に良好で、重症例を除きほとんど麻痺を残さないまでに回復可能です。