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はざま神経内科・内科医院

  HAZAMA CLINIC of NEUROLOGY & INTERNAL MEDICINE

内科 神経内科 / プライマリケア 産業医

米国医療保険改革法成立(2010/03/22)

私が今1番注目しているニュースがある。
3月22日のテレビニュースでオバマ大統領が議会に提出した国民皆保険制導入とも言うべき保険改革法案が提出され下院で過半数を取ることに成功した。それでもほぼ半分近い議員が反対していることになる。またこれまでのニュースを見ていると国民の中でもこの法案に反対するデモが繰り返されていた。最近の世論調査でオバマ大統領の人気が一気に冷え始めてきた大きな原因がこの法案にあるという。この法案の意味するところは医療を社会主義化することであり、これに反発する自由主義信奉のアメリカ人の大いなる反発があったものと想像される。
クリントン大統領時代にヒラリー上院議員がこの問題を提出したときに議会の反対に遭い、消滅した経緯がある。それ以来、この問題は私の興味を持ち続けたことではあったが、もちろんブッシュ時代の8年間は問題にもあがらなかった。
今、米国の医療費は世界で最も高いと言われている。数年前、メーリングリストをにぎわしたことに、地方公務員が視察で米国を訪れた際に、飛行中、エコノミー症候群となり米国で入院。いろいろな合併症併発し、3ヶ月後に死亡。渡米前に八千万円の生命保険に加入され、家族も安心していたようだが、請求金額が3億を超えていたという。これは1つの例に過ぎないが、比較例によく使われるのが、虫垂炎の手術費用である。NYでは1日入院で240万円(本邦38万円、1週間入院費込み)。米国では低額所得者は医療保険さえ加入できないという。更に驚いたことには本邦の費用は上海の費用の1/4という(いかに日本の医療費が安く抑えられているかも理解してほしい)。
日本の医療は我が国では唯一、社会制度を取り入れた制度であり、国のコントロールを受けている。それでも我が国の医療はアクセスも自由で、平均以上の医療が受けられ、世界に冠たる医療を維持していると思っている。
米国ではこの整備拡大に今後10年間で約100兆円を用意するという。日本の1年間の総予算に匹敵する額であるが、これでどのようにまかなわれるのか、国民負担はどうなるのか、今後の行方に注目していきたい。むしろ私は社会主義を嫌う米国社会に社会主義もいいな、と言う雰囲気が生まれるかもしれない。むしろこの社会主義を取り入れたオバマ大統領は名大統領の仲間入りを果たすのでは?